「使わなくなったパソコンを廃棄する」
この方法をすらすらと答えられる方は少ないかもしれません。
大掃除や引越しの際に、使わなくなって久しいパソコンを処分しようとして
初めて、「そういえば、どうやって処分するのだろう?」と首をかしげる方も多いかと思います。
パソコンは粗大ゴミとして捨てることはできません。
自治体のホームページで確認しても「メーカーに回収の申し込みをしてください」
といった旨のことが書かれているはずです。
今回はパソコンの廃棄方法について、基本的な考え方をお話します。
家庭向けと事業向けでは、廃棄方法も異なります。
- 事業向け
リース物件の場合は、リース会社に返却するのが普通です。買い取ったパソコンの場合は「産業廃棄物」として処分します。(ほとんどは有料です)販社・産業廃棄物処理業者・PCメーカー等にご相談ください。
- 家庭向け
家庭・個人で使用しているパソコンは「パソコンリサイクル法」に則って処分します。(パソコンリサイクル法については、本号表紙の「一言用語辞典」をご参照ください)
- メーカーに回収依頼をします
- 「エコゆうぱっく」の伝票が送られてきます。(PCリサイクルマークが適用されていない機種の場合は、支払用紙が送られてくるので、代金を支払います)
- 郵便局に持ち込むか、引き取り依頼をして回収に来てもらいます。厚めのビニール袋で包む程度の簡易梱包で大丈夫です。
以上が、おおまかな処分時の考え方と流れです。
実際の処分時に気になる点をピックアップしてみました。
- 「メーカーに回収依頼」と言うけれど、具体的にどこに連絡すればいいのかよく分からない。
「一般社団法人パソコン3R推進協会」のホームページから確認することをお勧めします。
パソコンの廃棄(リサイクル)に関する情報がまとめられており、ここを拠点に各メーカーの回収窓口ページにジャンプすることができます。 ページ内の検索機能や、「メーカー受付窓口一覧」をご参照ください。
(メーカー受付窓口一覧は、家庭向け・事業向けで分かれています) - パソコンリサイクル法が施行される前に購入したパソコンがあります。回収は有料とのことですが、大体いくらくらいかかりますか?
デスクトップパソコン本体・ノートパソコン・液晶ディスプレイ等は3150円、 CRTディスプレイ・CRTディスプレイ一体型パソコンは4200円です。
(各1台あたり)
どのメーカーも、ほぼこの料金となっています。 - パソコンリサイクル法の施行後(2003年10月以降)に買ったパソコンなのに、PCリサイクルマークが見当たりません。
いくつかのパターンが考えられます。
- 本体に貼付されて出荷されず、同梱物としてPCリサイクルマークのシールが提供されていた。
- 申し込みに基づき、PCリサイクルマークが送付される製品だった。
- PCリサイクルマークが標準で提供されていない製品だった。
各メーカーでは、家庭や個人での購入比率の高い製品を家庭向けパソコンとして定義し、PCリサイクルマークを適用しています。 事業向け製品にはPCリサイクルマークは適用されていないので、そういった製品を家庭用として購入した場合、PCリサイクルマークはありません。 PCリサイクルマークが見当たらない場合、状況によっては無償でPCリサイクルマークシールを申し込めることもあります。
まずは各メーカーのWebサイト等でご確認ください。 - 会社で使用しているパソコンにPCリサイクルマークがありました。
家庭向けの製品を会社で使用している場合、メーカーによる回収料金が不要になることがあります。
詳細は各メーカーのWebサイト等でご確認ください。
比較的新しく、まだ使用できるパソコンであれば、リサイクルショップや家電量販店などの買い取りサービスを利用する方法もあります。
また、パソコンの廃棄や処分を無料で行っている業者もあります。こういった業者はパソコンを分解し、金属や銅線等、部材ごとにリサイクルを行っているようです。
故障していても受け付けてくれたり、持ち込みや宅配便(元払い)を使っての発送も可能なことが多いようなので、
PCリサイクルマークの無い古いパソコンを廃棄したい場合に利用を検討するのもいいでしょう。
※リサイクルショップや廃棄業者は、自己責任においてご利用ください。
メーカーに引き取ってもらうにせよ、各種業者を利用するにせよ、パソコンを処分する前には必ずデータを消去しておきましょう。 メーカーや業者の中には、引き取ったパソコンのデータ消去まで行うことを謳っていることもありますが、データ消去はユーザーの責任と心得ておきましょう。
データの消去と言うと「ゴミ箱に捨てる」「ファイルを削除する」「リカバリーCDを使って工場出荷時に戻す」といった方法を思い浮かべるかもしれませんが、 実はこれらの方法ではデータを完全に消去したことにはなりません。特殊なソフトを利用することにより、消去したはずのデータを読み取ることができてしまうのです。
完全にデータを消去するには「専用のデータ消去ソフトを使用する」「特殊な装置を使って、磁気的に消去する」「物理的に破壊する」
といった方法があります。磁気的・物理的な方法は、専門のサービスを利用するしか方法がありませんが、専用のデータ消去用ソフトを利用しての消去はユーザーで実行可能です。
(ご自分で破壊するのは危険なのでおやめ下さい)
IBMとレノボでは「Secure Data Disposal(SDD)」というソフトを提供・推奨しています。
各メーカーの回収窓口ページには、データ消去に関する情報も掲載されていることも多いようです。
「一般社団法人パソコン3R推進協会」のホームページ中に
「当協会の会員が推奨するデータ消去プログラム」という記事もありますので、併せてご参照ください。
その他、市販のソフトや、フリーソフトもあります。お使いのパソコン環境に合った方法をお選びください。
パソコンの廃棄に困ったら、一度「一般社団法人パソコン3R推進協会」 のホームページを見てみることをお勧めします。 説明から具体的な方法まで、分かりやすく解説されています。