パソコンは快適に使おう!
〜パソコンの設置環境について〜


 会社でもご家庭でも、新しいパソコンを購入・設置するというのは楽しみなものです。 今回は設置時(会社・ご家庭共に)に見落としがちな注意点をお話したいと思います。

 ● 電源関連 ●

 最もありがちで、かつ、大問題になりがちなのが「電源が足りない・電源に届かない」というパターン。いざ設置しようとしたら、コンセントはすでに一杯、延長コードにも空きがない、延長ケーブルの長さが足りない……そんな話をよく聞きます。
 電源はコンセント本体に直接挿し込み、延長ケーブルは使用しないのが理想ですが、なかなかそうはいかないのが現状です。しかし、タコ足配線はほどほどに。ノイズや電圧関係のトラブルの原因にもなり得ます。
 延長コードを用意する場合は、できればアース付きの3穴のものがいいでしょう。(デスクトップパソコンは、アース付きの3ピン式コンセントの場合が多いので。ただしそういった機種の場合は、3穴から2穴へ変換するためのコネクタも同梱されていることが多いようです)
 開梱したパソコンを前に呆然としないように、電源(延長ケーブル)の確保はお忘れなく。

 ● ケーブル関係 ●

 電源(延長コード)にも言えることですが、ケーブル類の長さが足りなかったというのもよく聞く話です。LANケーブル・電話線・プリンタケーブルなどは、直線距離だけでなく、机などを回り込む分や、床を這わせる場合は床からパソコンまでの高さの分も考慮して用意しましょう。

 ● 設置場所 ●

[空間]
 パソコンは内部にたまった熱をファンによって外部に逃がしています。このために必要な空間は5cm程度。壁際に設置する際は少なくとも5cmくらいは隙間を空けて設置してください。空気の循環がうまくいかないと熱がこもり、故障の原因になります。

[温度]
 デスクトップパソコンやサーバーは10℃−35℃、ノート型は5℃−35℃を目安にしてください。

[湿度]
 8%〜80%

◆実際にこんなことも……◆
 冬のとある日、都内より朝晩の最低気温が低い首都圏某所にある工場に、パソコンを設置しました。設置時は問題なく稼動していたのですが、翌日の朝一番に電源を入れると、パソコンそのものは起動するのですが、ネットワークカードを認識しません。あれ?と思って、時間が経ってから再度起動させると、今度はちゃんと認識します。……こんなことの繰り返し。
 パソコンが設置されていたのは、工場の中の北側の窓際。「まさか寒いせい?」と思って設置場所を変えたところ、今度は朝一番でも問題なく稼動したそうです。おそらく、夜になるとかなり冷え込む場所だったのでしょう。
 また、一年のうちで一番パソコンが故障しやすいのは梅雨時のようです。実際、ハードウェア修理のコールが増えるのはこの時期だとのこと。(これは筆者も肌で感じています。確かに、その手のお問い合わせが増えるようです) ハードウェアの中の埃が湿気を吸って、それがハードディスクなどのデリケートな部分を傷つけるという話を聞いたことがあります。

 ● 使用環境 ●

 ある程度の目安を挙げておきますので、自分の一番居心地の良い環境でお使いください。

[腕]
 キーボードを使うときは、肘から先が床と平行になるようにすると楽です。お好みにより、市販のリストレスト等を利用するといいでしょう。

[目]
 ディスプレイとの距離は50〜60cm程度離すのが理想です。また、画面の最上部が目の高さか、それより少し下になるようにすると楽なようです。

◆One Point◆
 ディスプレイと目線の関係ですが、デスクトップパソコンの場合はPC本体を縦置きにして、ディスプレイを机の上に直接置くと、大体目安どおりの目線の高さになるようです。PC本体の上にディスプレイを置くと、モニターを見上げる形になり、肩こりの原因になりそうです……。
 また、CRTディスプレイ(ブラウン管タイプのもの)が重すぎて、下敷きになっていたパソコンの筐体がゆがみ、蓋を開けられなくなってしまった・開けたはいいけれど、閉まらなくなってしまった、という例も実際にありました。これは17インチ以上のかなり大型のディスプレイでしたが、気をつけた方がいいかもしれませんね。

 ● ノート型パソコン ●

 携帯性に優れるノート型パソコンは、独自の注意点がいくつかあります。代表的なものをご紹介します。

◆ハードディスクが動作しているときに、ノートPC本体を動かさないで下さい。ハードディスクが傷付く可能性があります。

◆強い電磁波を発する電気機器(テレビ・冷蔵庫など)から13cm以内にノートPCを近付けないでください。

◆ノートPCの上に使用中の携帯電話を置かないでください。パソコンが誤作動する場合があります。

◆モデム内臓の機種の場合、PBX(構内交換機)や内線デジタル電話回線に接続しないでください。(ホテルなども要注意) モデムが壊れる場合があります。

 

 いかがですか? 実はこれらの諸条件は、パソコン本体のマニュアルに明記されているものなのです。見落としがちな部分ですが、案外知らないことが書いてありますので、一度ご覧になってみてください!