パソコン リカバリー事情 ●

リカバリーとは、パソコンを買ってきた当時の状態に戻すことを言います。
パソコンの動作が不安定なときや、Windowsがうまく起動できないといった場合に、最後の手段(!?)として、パソコンを出荷時の状態に戻す作業のことです。(当然、後からインストールされたアプリケーションや、作成したデータ、各種設定などは全部消えてしまいますので、リカバリー前には入念なバックアップが必要です)
今回はこの「リカバリー」について、お話しいたします。

※ここでは、IBMパソコンを例にとってご説明いたしますが、最終的かつ具体的なリカバリー方法については、マニュアル等でご確認ください。他社製品については、この限りではありませんので、こちらもマニュアル等でご確認ください。


『スキルアップ情報』リニューアルしました!


● リカバリーの歴史 ●

リカバリーも段々と簡単にできるようになってきています。モデルによって細かい差はありますが、大体、以下のような歴史をたどっています。

[Windows95・98が出た当時のパソコン]
 OS(Windows95や98)のCDと、そのCDを起動するためのフロッピーディスク(FD)、そのモデル固有のデバイスドライバー等が収められたサポートCDが、パソコンに同梱されていました。
 起動用FDを使用してパソコンを起動し、メッセージに従ってCDをセットし、Windowsをインストールする……という流れでした。Windowsがインストールされたら、サポートCDに収録されている各種ドライバーを手動でセットしていく必要がありました。
 CD-ROMドライブの無いパソコンの場合、リカバリー用のFD版Windowsを予め作っておかなくてはならないモデルもありました。
 リカバリーには、手間も、多少の知識も必要でした。

[2〜3年前まで](注・この記事は2003年11月に書かれています)
「リカバリーCD」が同梱されていました。リカバリーCDを使うことにより、出荷時の状態まで自動的に戻せます。Windowsもドライバーも、一気に戻せたので、以前に比べるとリカバリーの手間が大分省けました。
ただ、リカバリーCDを紛失してしまう方も多く、そういった場合のリカバリーはなかなか困難でした。

[現在]
リカバリー用のプログラム(プロダクト・リカバリー・プログラム)がパソコンのハードディスクに保存された状態で出荷されています。リカバリーはハードディスクから直接行います。こういったリカバリー方法を「Disk to Disk」と呼びます。
リカバリーCDは同梱されていません。詳しくは、この後の項をご覧下さい。

 

 ● プロダクト・リカバリー・プログラムの起動 ●

上記のとおり、現在販売されているIBMパソコンは、「プロダクト・リカバリー・プログラム」が、ハードディスクの特別な区画に保存されています。使用方法は概ね、以下のとおりです。
(モデルによって手順が異なります。詳しくはマニュアル等をご確認ください)

1.パソコンの電源を入れる。

2.下記のメッセージのいずれかが出たら、素早く該当のキーを押す。

To interrupt normal startup, press Enterと表示された場合。
→ Enterキーを押します。
Startup Interrupt Menuが表示されるので、F11キーを押します。(プロダクト・リカバリー・プログラムはF11キーに割り当てられています)

To interrupt normal startup, press the blueAccess IBM buttonと表示された場合。
→ Access IBMボタンを押します。
Recover to factory contentsをクリックすると、プロダクト・リカバリー・プログラムのメニューが表示されます。

To start the IBM Product Recovery Program, Press F11と表示された場合。
→ F11キーを押します。

3.画面に表示されたメニューやメッセージに従い、リカバリーを開始してください。

[注意]
・メッセージは、電源を入れた直後〜IBMロゴが出るあたりで表示されます。ほんの数秒なので、ご注意ください。
・モデルによっては、メッセージが本当に一瞬しか見えないことがあります。ディスプレイの反応速度やパソコンの処理スピードによっては、まったく見えないこともあるようです。どうしても表示されない場合は、Enterキーを押しながら電源を入れてみてください。(この方法が効かないモデルもありますので、ご了承ください)

 

 ● リカバリー修復ディスケット ●

プロダクト・リカバリー・プログラムが損傷しているか、プロダクト・リカバリー・プログラムが入っている区画に問題がある場合、上記メッセージが表示されません。
この場合「リカバリー修復ディスケット」を使用して復旧を試みることができますので、予め作成しておくことをお奨めします。
作成方法はモデルによって差異がありますので、必ずマニュアルをご確認の上、作成してください。以下に一例を挙げます。(主にデスクトップパソコンでの作成方法です)

[作成方法(一例)]

1.Windowsを起動します。

2.「マイコンピュータ」や「エクスプローラ」を利用して、C:\ibmtoolsフォルダを開きます。
(通常はCドライブの直下にありますが、見つからない場合は検索などでお探しください)

3.PRDISK.BATファイルを探します。

4.空のFDをセットし、PRDISK.BATをダブルクリックしてください。「リカバリー修復ディスケット」の作成が開始されます。

*その他、プロダクト・リカバリー・プログラムの中に、修復ディスケット作成用のメニューがある場合もあります。この場合、プロダクト・リカバリー・プログラムが起動できなくなってからでは修復ディスケットの作成ができませんので、予め作成しておくことをお奨めします。(もし、同じモデルが複数台ある場合は、別のパソコンでディスケットを作成し、それを使うことも可能です)

[リカバリー修復ディスケットの使用方法]
ディスケットをセットした状態で、パソコンの−*−−電源を入れます。表示されたメッセージに従ってください。

 

リカバリー方法はモデルによって少しずつ差異があります。今回はいくつかの例を挙げてご説明しましたが、実際に操作を行われる際は必ず、マニュアル・ヘルプ・Readmeファイル等をご確認いただきますよう、お願いいたします。

 

スキルアップ情報TOPへHOME