省電力機能を考える

最近のパソコン、特に持ち運びの多いノート型のThinkPadでは、無駄な電力を消費しないように、省電力機能が充実しています。
でも、この便利な機能にも ちょっとした落とし穴があるのです。
今回はThinkPad
(Windows98にて使用)の省電力機能の概要と、注意点をお話します。


3つの省電力モード
ThinkPadには、3つの省電力モードがあります。下にいくほど、消費電力が節約されます。
・スタンバイモード・・・・・画面がオフになる(暗くなる)だけです。
・サスペンドモード・・・・・タスクをすべて停止し、作業中のデータをすべてメモリに保管した上で、電源がオフになります。
・ハイバネーションモード・・・・・タスクをすべて停止し、作業中のデータをすべてハードディスクに保管した上で、電源がオフになります。
省電力に移るタイミング
[ 手 動 ]
 

省電力に入る

操作状態への復帰

スタンバイ Fn + F3 ・ 任意のキー又はマウス
・ 電源スイッチ
サスペンド Fn + F4
・ カバーを閉じる
Windows98のスタート→Windowsの終了→スタンバイ*
Fnキー
・ カバーを開く
・ 電源スイッチ
ハイバネーション Fn + F12 ・ 電源スイッチ
[ 自 動 ](Windows98の場合)
[スタンバイ]

コントロールパネル→電源の管理→電源設定→「モニタの電源を切る」に時間が設定されている場合
[サスペンド]
コントロールパネル→電源の管理→電源設定→「システムスタンバイ*」に時間が設定されている場合
バッテリーの残量が少なくなった場合(「電源の管理」にて、予め設定していた場合のみ)
[ハイバネーション]

バッテリーの残量が少なくなった場合(「電源の管理」にて、予め設定していた場合のみ)
○操作状態に戻す方法は、それぞれ手動の時と同じです。○
* システムスタンバイの意味
ややこしい話なのですが、ThinkPadの「スタンバイ・モード」と、Windowsの「システムスタンバイ」は意味が異なります。
Windowsの「システムスタンバイ」は、ThinkPadの「サスペンド」に相当しますので、十分ご注意下さい!
落とし穴■
ThinkPadをネットワーク環境でお使いになっている場合は、サスペンドモード(Windowsのシステムスタンバイ)やハイバネーションモードは使わないほうが無難です。
これらのモードに入るとPCカード(ネットワークカード等)への電力の供給もストップされ、通常モードに戻った際に通信が再開されない場合があります。更に、そういった場合はWindows画面に戻っても固まってしまい、結局は再起動しなくてはいけない場合が非常に多いようです。
出荷時にこれらのモードに自動的に入る設定にされていることもあるので、まずは確認してみてはいかがでしょうか。(そしてできれば設定を解除して下さい・・・・・
)
[ 確認方法]
コントロールパネル→電源の管理→電源設定
ybs2011a.gif (48403 バイト)
* モデルによって設定画面が若干異なります。(上図はThinkPad600Xのものです)
* デスクトップモデルの場合も、同様の手順で確認しておくことをお勧めします。
* Windows95の場合は[コントロールパネル→パワーマネージメント] [コントロールパネル→画面→スクリーンセーバー→ディスプレイの省電力機能] [ThinkPad機能設定]なと゜、複数箇所の設定を確認する必要があります。
こんなことも・・・・・■
あるお客様から「ノートのカバーにちょっと手が触れただけでWindowsが固まってしまう!」というご相談を頂いたことがあります。
それも1台だけでなくその部署の
ThinkPadのほとんどで起き、モデルもばらばら。
共通点と言えば「電源を入れたままノートのカバーを開け閉めすることが多い」
(=カバー開閉によるサスペンドモードへの以降が多い)ということ。
調査したところ、意外な結果が出ました。
ThinkPadのディスプレイ下部を見て頂くと、小さな突起があるのがお分かり頂けるかと思います。この突起がセンサーを押し込み、サスペンドモードへ移行する仕組みになっているのですが、どうやら問題のThinkPad達はこのセンサーが過敏になっていたようなのです!だから、少し手を触れただけで反応してしまったのですね。
ちなみにここにホコリがたまっていても、不具合の原因となることもあるそうです。
これは[コントロールパネル→電源の管理→電源設定→サスペンド/レジューム・オプション]の「LCDを閉じてもサスペンドにしない」にチェックをつけておくことで、現象回避できました。
もちろん、修理に出すのも有効ですね!
この記事を書くにあたり、省電力機能についていろいろ調べてみましたが、モデルやOSによって設定方法やキー操作はかなり異なってくるようです。今回はThinkPad600XWindows98という環境をベースにさせて頂きました。できるだけ汎用的にまとめたつもりですが、詳細はお使いのPCのマニュアルなどでご確認下さい。