● ハードウェアトラブルに備える ● |
パソコンをごく普通に、いつも通りに使っていたのに、ある日突然、起動しなくなってしまった……そんな状況に陥ってしまったことはありますか? 自分が陥ったことはなくても、同僚が悲鳴を上げているところは見たことがあるという方も案外多いのではないでしょうか。
物理的に修理をしなければ直らないパソコンのハードウェアトラブルは、どんなに気をつけていてもある日突然やってきます。備えあれば憂いなし……とまではいきませんが、できるだけ復旧をスムーズに行うために、日頃気をつけておきたいことをお話します。
● 修理が必要になる場合の主な現象 ● |
以下のような現象が出たときは、ハードディスクトラブルの場合が多いようです。
このような状態に陥り、それ以降まったく起動できなくなることもあれば、再度電源を入れるとまがりなりにも起動してくることもあります。ただし、起動できてもその直後〜1、2日後にはまったく起動しなくなる場合が多いので、早急にデータのバックアップを行ってください。
▲ 使用中に突然電源が切れる。 |
● バックアップ ● |
▲ 大事なデータのバックアップは普段からできるだけこまめにとっておきましょう。
▲ サーバーなどの場合は、自動で毎日バックアップしておくことをお奨めします。バックアップ専用のツールやソフトウェアをお使いください。
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各種ソフトウェア()に付属のバックアップメニューを使う場合、正しい使い方をマスターしてください。操作ミスや勘違いが原因でまったくバックアップが取れていなかった、という事例をよく耳にします。
▲ ハードウェアトラブルの場合、データ記憶域であるハードディスクの故障が非常に多いようです。この場合、ハードディスクそのものを交換しますので、データは復旧できません。どうしてもデータを復旧したいと望まれても、物理的に無理なときは本当にどうしようもないのです……。
▲ Windows95/98の場合、Windowsが起動しなくても「起動ディスク」を使用してDOSプロンプトにて起動し、COPYコマンドを使ってデータをバックアップするという方法もあったのですが(*注)、Windows2000/XPなどではファイルシステムの違いでこの方法は使えません。
(*注 ハードディスクそのものにアクセスできない場合は、この方法でもバックアップできません)
▲ 各種データのバックアップについては、スキルアップ情報2001年8月号の「万が一に備えよう」で特集していますので、ご参照ください。
● 修理(IBMの場合) ● |
▲ 保守に入っている場合はパソコンの型番とシリアル番号を控えた上で保守サービス会社までご連絡ください。
▲ 保証期間内の場合、修理代は発生しませんが、モデルによっては修理センターに一度お預かりし、そこで修理を行う場合があります。この場合、ご返却までに10日〜2週間ほどかかります。
▲ 保証期間外で、保守にも入っていない場合、その都度有料で修理することになります。
技術員に現地まで来てもらう場合、問題判別から部品交換まで行うと、場合によっては新しいパソコンを1台購入するくらいの値段になることもあります。
● 復旧 ● |
ハードディスクを交換した場合、パソコンの使用環境はまっさらの状態になってしまいます。環境を元に戻すためには最低限以下のものが必要ですので、きちんと管理しておくようお願いします。
▲ 出荷時に同梱されていたCD-ROMやフロッピーディスク、各種マニュアル
パソコンを出荷時の状態に戻すリカバリーCDや、各種デバイスドライバー・提供ソフトウェアが収録されているCD、また、それらのCDを起動するためのフロッピーディスクなど、モデルによって構成は様々です。これらが揃っていないと、ベースとなるWindowsを復旧するのも困難になる場合があります。Windowsインストール時に必要なキーワードがマニュアルに書かれているものもありますので、お気をつけ下さい。
なお、最近のパソコンはリカバリーCDが提供されないモデルもありますので、ご注意ください。(リカバリーイメージがハードディスクにセットされた状態で出荷されています。リカバリープログラムの起動方法はモデルによって少しずつ異なりますので、マニュアルなどでご確認ください)
▲ 各種ソフトウェアのCD-ROM
特にMicrosoft Office XPが同梱されていたパソコンの場合、そのパソコンに付属していたCDが必須となります。これはXPでは「ライセンス認証」が必要になるためです。詳しくは2001年10月号「続・Office
XP 情報」特集をご覧下さい。
いかがでしょうか? データのバックアップや提供されたCD等の管理など、「当たり前」と思われることが万が一のときに役立ちます。
保守契約に加入されていない場合は、再度のご検討、または万が一のときの対処についてあらかじめ決めておかれるのがよろしいかと思います。