雷(停電)対策を考える ●

梅雨時から夏にかけての日本で、気になるお天気といえば、雷。首都圏でも毎年必ず何日かは、酷い雷雨の日があるものです。そして、雷といえば落雷による停電です。こちらもまた、1年に数回は「停電でコンピュータの電源が落ちてしまった!」というお電話をいただいております。
今回は雷や停電時の対策について、概要をお話したいと思います。

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 ● 機器構成 ●

停電対策としては、UPS(無停電電源装置)を使うのが一般的です。
UPSとは、停電が起きて電源の供給がストップしても、しばらくの間はバッテリーから電源を供給する装置のことです。電源が供給されている間に、ユーザーは正しい手順でUPSに接続されている機器の電源を落とすことができます。
「無停電電源装置」といっても、停電中ずっと、長時間にわたって電源を供給できるわけではありませんので、ご注意ください。

UPSにつなげておく機器は、以下のようなものが一般的です。
  ・e-Server i Series(通称AS/400)本体
  ・コンソール(AS/400の親画面)
  ・PCサーバー
  ・モデム
  ・HUB
  ・ルーター
……「突然電源が切れたら絶対に困る!」という機器をつなげてきます。

 

 ● 雷が近づいてきたら ●

落雷による停電や、電源・電話線からの過電流に備えて、各種電子機器の電源を切り、コンセントや電話線そのものを抜いておくのが一番の予防法です。
しかし、雷を一々気にしていたら仕事にならない!というのが実際のところでしょう。雷の被害の多い地域、明らかに雷が近くで鳴っていて、危険を感じる……といったときに、状況に応じて対処するのがいいでしょう。
落雷等による過電流(一時的に定格以上の電圧がかかる電圧異常)では、精密機械であるコンピュータは大きな損傷を受ける場合があります。UPSによっては電圧の安定を図ってくれるものもありますが、電話線などを通しても電流が流れることがありますので、ご注意ください。

 

 ● 停電が起こったら ●

瞬間的に送電が途切れる瞬電の場合は、UPSにつながっている機器については特に心配しなくてもいいでしょう。(つながっていないパソコンなどは、機種やタイミングによって、再起動がかかることがよくあります)
明らかな停電の場合は、UPSから電源が供給されている間に、AS/400やPCサーバー等を正しい手順でシャットダウンして下さい。電源の供給時間は長くても15分程度のことが多いので、迅速に対応してください。UPSによっては送電がストップされた時点で、自動的につながっている機器のシャットダウン操作をしてくれるものもあります。
また、遠隔地と通信を行っている場合はそちらにも連絡し、端末の電源を切ってもらうようお願いしてください。
電源を正常に切り終わった後は、過電流対策として、UPSのメインスイッチを切り、電源も抜いておくことをお奨めします。
停電が復旧したら(雷が遠ざかったら)、各機器の電源を上げていきます。

 

 ● 心構え ●

雷の季節は、夏の長期休暇の季節でもあります。担当者がいないときに停電が起こってパニックに陥らないよう、以下の点もご検討ください。

 ・電源のON/OFFについて、日頃から複数の方ができるようにしておく。
 ・電源のON/OFFの手順書を作っておく。
 ・緊急時の連絡体制を整えておく。

今回は、雷(停電)についての、一般的な対策や考え方についてお話しましたが、使用している機器や構成によって、具体的な対策方法は異なってきます。
雷が鳴る前に、いざというときの対処方法を決めておくことをお奨めします。

 

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